ナイスビア珍道記

ナイ珍って呼んでね

学生のアジャイル開発プロジェクトの成果発表会的なもののお知らせ

アジャイルコーチという仕事をやっているわたしですが、2013年から実務家の特任教員という立場で*1大学に籍を置き、学生にアジャイル開発を教えるということもしています。

企業にアジャイル開発を導入するように、大学のプロジェクトベース教育(Project Based Learning*2)にアジャイル開発を導入し、企業のチームのコーチングをするように、学生チームのコーチングをしているわけです。

取り組みについては過去にデブサミで発表したり、『Agile PBL祭り』というイベントで紹介したりしてきました。
Agile PBL祭りについてはわたしが事後報告をブログに書く書く詐欺を働いているので、お手元の箱でググってください。。
Togetterにもまとまってました。

agilepbl.org

これまでの関連するエントリは「教育」カテゴリにまとめておきました。 miholovesq.hatenablog.com

で、わたしが関わっている文科省のプロジェクト(enPiTといいます*3)が今年度を持って終わるので、いろいろな大学でわたしがいっちょかみしてるやつをいくつかご紹介して興味を持っていただこうというわけです。

最終年度にもかかわらずCOVID-19のせいで今まで通りの活動ができなくなったのは悔しいですし、何より、リアルに対面してチーム開発ができない学生たちは本当にかわいそうだと思うのですが、どのチームもそんな制約をどうにか乗り越え、創意工夫して活動しています。
紹介する成果発表会はまだ夏ということで、少しでもアジャイルなチームになるように活動してきた成果を見る機会です。
学生にも言ってるんですが、すげーものを作るよりもすげーものを作るための基礎体力づくり、という位置付けです。 成果発表会というと、古来より「イノベーションはどこにあるんだ」とか「新規性はどこに」とか「おもちゃみたいなアプリ」とか「儲かるの」とか「セキュリティ面は」とか「もっとこんな機能があるといい*4」とかクソリプしちゃうコメントを下さる人が必ず来てしまうんですが、それもだいぶ減ってきました。
学生チームの創意工夫や、彼らの学びから学ぶというのは、わたしたち*5自身のun-learnの機会だと思っています。
オンラインの発表会はどこからでも見学に来られるといういい機会なので、公開されているものはぜひ見にきてください。*6

紹介

筑波大学

ここ5年ぐらいかな、夏合宿はkyon_mmくんとキャッキャウフフと学ばせていただいているの、マジ感謝。
受講生に比例してメンターの数も多く、毎年メンター学生の関与が積極的なのが面白い。

進め方

  • 筑波大の先生が主体で春からの授業を組んでいる(プロダクトデザインもその中で)
  • わたしは夏合宿プロジェクトの立ち上げ支援とメンターの後方支援
  • 夏合宿は初日にプロダクトバックログ作成、中4日が開発(1日1スプリントを4日)

特徴

  • 受講生は学部生を中心に60名ぐらいととにかく大所帯
  • プログラム修了生がTAをやることで二重の学びの輪ができている
  • YassLabさんのご協力でRailsチュートリアルを提供していただいている
  • t_wadaのTDD特別講義
  • kyon_mmのGitHub特別講義
  • わたしのアジャイル開発+モブプログラミング特別講義

夏合宿の成果発表会

7/29(水)の午後です。
お申し込みはこちらから。 enpit.coins.tsukuba.ac.jp

東工大

なんといったらいいかわからないが独特な人たちの集まりなので見にきて欲しい(語彙不足)。
過去には企業メンターだけだったのが、今年から学生メンターがついてこれがとてもよい(語彙不足)。

進め方

  • サイボウズ・ラボのuchan_nosとわたしが主体でやっている
  • 2コマ連続授業を1スプリントとし、毎週火曜日の授業時間だけで8スプリント

特徴

  • 支援企業であるいい生活さんの若手がメンターとして参加してくれている
  • 受講者は修士1年が15名ぐらいでこじんまり(3チーム)
  • 今年は昨年修了生がTAをやってくれて二重の学びの輪がやっとできて嬉しいし成果も出てる気がする

前期授業の成果発表会

8/4(火)の午後です。
お申し込みはこちらから。 connpass.com

産業技術大学院大学と琉球大学での活動

  • 成果発表会12月なのでそのうち告知
  • 企業、大学、いろんなところで得た知見を全部載せで好きに還元してる場がここ
  • yattomや修了生若手社会人によるTDDワイワイ会に講師&メンターとしてご協力いただいているのでとても実践的
  • スクラム道の仲間であるimagireが大学教員として学生ともども参加してくれてる
  • インカレなのもおもしろい

まとめ

大学によって文化も特徴もレベル感もまるで違っていて、大学のプロジェクトにおいてわたしが学んだことは、企業でのお仕事(とくに新人研修とか)に強い影響を与えている源流となってるんだなぁ、としみじみ思いました。
プロジェクトが終わったあとどうなるかわからないけど、引き続きこういうお仕事をしていけたら嬉しいなぁ。

*1:つまりは研究者じゃない

*2:Project Based LearningもProduct BackLogも略称がPBLなので混同する

*3:この数年で界隈ではだいぶ知名度が上がったんだがわたしも貢献してると思うぞ

*4:某人からいただきましたw ありがとうw

*5:学び舎を卒業して時間が経った人たち

*6:大学でも広報してるんだけど産業界になかなか届かないので勝手に広報している