ナイスビア珍道記

ナイ珍って呼んでね

東南アジアスタイルのお粥

日本ではジャポニカ米(短粒種)を使い、味はつけないか、もしくはごくごく薄い塩味でお粥を作るのが一般的かと思います。
中国の南方を含む東南アジアでは、タイ米やジャスミン米などのインディカ米と呼ばれる長粒種をスープで炊いて作ります。
東南アジアのホテルの朝食ブッフェにcongeeとかrice porridgeとかあるのがだいたいこれです。

わたしはこの東南アジアスタイルののお粥が大好きで、海外旅行先のホテルや食堂にこのスタイルのお粥があればほとんど必ず食べてきました。 今のところ世界一美味しいと思っているのが、ハノイの大聖堂の近くにあるCháo Gà Bà Mỹ("ミーばあさんの鶏粥")です。3代続くチャキチャキのハノイっ子であるわたしの友人が家族で通うお店で、彼女がわたしのお粥好きを知り教えてくれました。その後数回行っています。ここはベトナムのお粥店の中でも群を抜いて美味しいのですが、ミーばあさんらしき人が非常に偏屈で気難しいので、ネイティブじゃないと入りづらいかもしれません。友人はこのミーばあさんの悪口を言いながら、それでも来ちゃうのよねーと言っていました。

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客席で足を投げ出してふんぞり返ってるのがたぶんミーばあさん

ベトナムに限らず東南アジアスタイルのお粥が日本で食べられるところはまずないので、いろんなレシピで試行錯誤してきました。
このハノイっ子の友人に教えを請い、今のところ失敗知らずになりましたのでまとめておきます。
ミーばあさんのお粥の再現なんて到底無理なので、なんちゃってチャオガーですけど。

材料 (3〜4食分ぐらい)

  • 最低限必要なもの
    • ジャスミン米 カップ 1
    • 鶏スープ 2L
    • サラダ油 大さじ1か2
    • 塩 少々
  • できれば欲しい
    • 大葉(たくさん)
    • 小ねぎ
    • ホワイトペッパー

準備

米は研がなくていいがボウルに入れてサッとすすぐ。塩を少々振り、油を回しかけて表面を薄くコーティングしておく。ラップをして最低30分おく。一晩とか半日放置しておいてもまあ大丈夫。

鶏スープ

  • 水2.5L〜3L
  • 手羽(元でも中でも先でも)8本〜10本
  • 生姜や長ネギの青いところ
  • もしくは:ケンタッキーフライドチキンを食べ終わった後の骨(4つ分ぐらい)

手羽は包丁で骨ギリギリに切れ目を入れておくと出汁が出やすい。粗塩で撫でておく。
実はケンタの骨からスープを作ることを冷ややかに見ていたが、やってみたらスパイスも入っていてバッチリ美味しいことがわかったのでご紹介。初めから再利用を考えるときはナイフで外しながら食べるとかしておけば大丈夫。
鍋に水を入れ、手羽と臭み消しの生姜や長ネギをぶち込んで、火にかける。沸騰したら弱火〜中火ぐらいで30分から2時間煮出す。要は適当。
冷たいスープでおかゆを炊くので、出来上がったら中身を取り出して(漉すともっと丁寧)冷ましておく。
鶏はお粥の具として使うので、骨から外して適当な大きさにほぐすか切るかしておく。

あまり美味しくないのでオススメしないが、やむなく鶏ガラスープの素を使うこともあるだろう。塩分がすごいので、水の量に比例して使うのではなくごくごく薄めにすること。みんな大好き味覇は味がつきすぎていて代用にならないので注意。

鶏にまぶした塩である程度スープに塩気が入っているが、しっかり味を入れる必要はない。
出来上がりか食べる時に手元で調整すれば良いので問題ない。

薬味

大葉は10枚や20枚の束で1cmぐらいの幅にザクザク切っておく。
小ねぎは刻んでおく。

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とにかく大量に刻まれている薬味の山

調理

ざっくり言うと、スープを何回かに分けて加えながら米を煮ていく。
ポイントは冷たいスープを使うことと、何回かにわけること。こうすることで米がボロボロに崩れていく。

  1. お粥を作る鍋に冷めたスープを小さなボウル1杯(400ccぐらい)と米を入れ、中火にかけて沸騰させる。
  2. 冷めたスープを同じ量加えて沸騰させる。
  3. 2を5回以上繰り返す。
  4. 鍋底が焦げ付かないように注意しながら、蓋をせずに米が踊るくらいの弱めの中火で30分。
  5. お粥が糊状にドロドロしてきたら出来上がりの合図。ごく薄めの塩味に仕上がるよう、塩胡椒で調整する。

水分量は火の入り方と緩さを見ながら調整する。スープが足りなくなったら水で調整してもいい。わたしは緩めが好き。ボテボテしてると鍋底が焦げ付きやすいので注意。
味見で口をつけたスプーンなどを直接鍋にいれると、せっかくのでんぷん質が唾液によって分解されてサラサラになってしまうので、避けること。

このレシピは、出来上がり分が入る大きさの鍋があればいいことで、煮詰まる前のスープが入る大鍋が不要なところが気に入っている。

仕上げ

多めの大葉と小ねぎ、ボリュームが欲しければスープをとったときの鶏肉を器の底に置き、その上に熱々のお粥を注ぐ。
食べるときに味が足りなければニョクマム(魚醤、タイだとナムプラー)をひと垂らし。
お好みで生卵を入れても美味しい。

保存

タッパーとかジップロックとかに1回分ずつにわけて置くと、再加熱するときに楽。レンチンだと温めムラができてしまうのでかき混ぜたりする手間はいるけれど、鍋のまま再加熱だと底が焦げることが多いので。
だいたい2日で食べ切ってしまうので冷凍したことがないのだけど、冷凍してもいいかもね。

完成イメージとして一応ミーばあさんのお店のやつを載せておく。
とにかくお粥は写真映えしなさすぎるのが難点。

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運ばれてきたところ
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底からかき混ぜると具が出てくる

深酒が続いたときとか最高なのでやってみてねーばいばい