ナイスビア珍道記

ナイ珍って呼んでね

海外のカンファレンスに行くということ

今年はもう海外のカンファレンスに行かなさそうなのでまとめてみる。
やめた。まとめるのは大変なので書き散らす。

結論から言うと、海外のカンファレンスには衝動的に行ったほうがいい。

理由は、日本で普段悩んでいるちっぽけなことがどうでもよく思えるから。自信もつくし失うし、自分の限界も可能性も同時に感じられるから。
会社の中にいるときは、社外の勉強会やコミュニティに顔を出すようにしたんだけど、規模が違えど同じだと思っている。 組織を出たら国を出よう。次は宇宙か。バカ。
ちなみに、毎夏行われている世界最大のAgileカンファレンスには言い訳をつけて行かないというモグリの私ではあるが、少しずつ出ようとしているので勘弁して。

2013 Regional Scrum Gathering China (Beijing, June 29~30; Shanghai, July 3~5; Suzhou, July 5~6)

今年はまず、上海で行われたScrum Gatheringに行ってきた。

昨年も参加したので2回目。実は去年、初めて行った同カンファレンスのオープンジャムに名乗り出て小一時間話すという荒行をやってきたのだけど、今年は同行したharadakiroとnawotoがセッションを持つのをそこはかとなく眺めるだけで、なんだか消極的な参加になってしまった。

それでも、同じRegional Scrum Gatheringということで*1、オーガナイザーはどういう動きをしているのか、スタッフはどんなやり方をしているのか、参加者にはどんな人がいて、何を楽しんでいるのかを見るのは非常に楽しかった。Agileのコミュニティに関しては残念ながら中国は日本に先んじていて、そこに学ぶことはとても多い。

また、中国各地の他、台湾やマレーシアなど他の東〜東南アジア諸国からも参加者が来ていて、参加者同士の交流(というと大げさだけど立ち話程度でも)も面白い。話している言葉が違うだけで状況はけっこう似ている。中国語のセッションは事例も話していたと思うのだけど、さすがに聞き取れないのでちょっと覗くだけだった。

かたわらで私は何人かの参加者を捕まえて勝手にインタビューをしていたんだけど、印象的だったのは、上司に行って来いと言われて来たというUXデザイナーの若い女の子。「言われたとおり来たのはいいけど、まず皆が話してる用語が全然わかんないの! スクラムリーダーじゃないや、なんだっけ、スクラムマスターって言うのは何する人なの? 開発チームが自己組織的に働くんでしょ? そしたら何もやらなくて良くなっちゃうじゃない」みたいなことをがんがん聞いてくる。そこから議論が始まる。日本ではどちらかといえば知識のないことを恥じたり隠したりする雰囲気があって、こういう会話になることは私の経験上はあまりない。先入観なしに興味を持って、何か学ぼう、持って帰ろうっていう意識がすごく高いのだなぁと、いくつかの少ないサンプルを見て思ったのだった。

Agile Tour 2013 Ho Chi Minh City (Vietnam)

Agile Tourとは、世界各地で毎年秋に行われるアジャイルにフォーカスしたイベントで、日本では2010年から大阪で行われている。
日本開催の初回だった2010年の大阪でのイベントに参加した動機はよくわからない。私はひねくれているので、それはそれで居心地のいいものではあるけれど、「どうもどうも」みたいに近所の飲み屋の暖簾をくぐるんじゃない、知り合いのいなさそうなところに顔を出してみたかったような気がする。
東京からふつーに参加した人があまりいないらしく、「なんでわざわざ来たんですかw」とか言われたのを覚えている。レアキャラなのをいいことに、いろんな人と話すきっかけをいただいた。
前日にはPFP関西の勉強会があって、どうせ行くなら覗いてみようと思い、こちらも参加した。最終的に深夜まで飲みに行ってその席で寝て、さらに初対面の人に車で送ってもらうというド失礼な大阪デビューをしたのだった。

で、今年はベトナムのホーチミンで行われたこのイベントに参加した。

ベトナムは中国よりもさらに圧倒的に他国からのアウトソース先としての位置づけがあって、参加者もいわゆるオフショア先の人たち。印象的だったのは、リンク先のタイムテーブルを見てもらってもわかる通り、海外からのスピーカーが講演のほとんどを占めることだった。もちろん英語。通訳はなし。海外から学ぼう、っていう状況なのだと感じた。ベトナムのオーガナイザーも講演者も言っていた、もちろん私も思ったことだけど、ベトナムの人たちがもっと話すようになるといいね。

ちなみに、ここで上海のGatheringのオーガナイザーが中国のAgileコミュニティの変遷についてのセッションを持ったのだけど、非常に興味深かった。もともとローカルのコミュニティがそれぞれ別の活動をしていたんだけど、紆余曲折を経て、今は会計も1つにして協力しあうことになっているんだそうだ。毎年1割ぐらい中の人が入れ替わるのだと言っていた。すごい。

ところで、海外カンファレンスに目を向け始めてから段階的なバックログを置くようにしていて、1〜4ぐらいまではできるようになったので、来年は5、その次は6に挑戦していきたいと思っている。当然このバックログは下に行けば行くほど粒度が荒いので、もう少しenableなものにブレークダウンしていかないといけない。

  1. まずはイベントに参加する
  2. 町中で現地の言葉を使う(買い物とかオーダーとか)
  3. 日本人以外の参加者と議論する(てきとーな日常会話じゃなくて)
  4. セッションのQAコーナーで質問する
  5. 海外のカンファレンスでセッション発表する
  6. 海外のカンファレンスに招待される

そんなわけで、今年はたった2回しか行かなかったわけですが、飛行機が死ぬほど嫌いな私にしてはがんばったつもり。 まずはヨーロッパ大陸と北アメリカ大陸がもっと近くなるといいな。
来年の7月末〜8月頭に米国オーランドで開催されるAgile 2014のスピーカーサブミッションも始まったようだし、次回はスピーカーとして行ってみようと心に誓うのであった。 (今年もサブミッション出して落ちてるんだけどね。)

ちなみに私の英語力は、Jim Coplienとco-trainしていたときの参加者から「miholovesqさんて、たいして英語できないのに果敢にいきますよね!」って褒められる程度ですw

*1:来年1月にRegional Scrum Gathering Tokyo 2014をやるのでぜひ来てください! 海外カンファレンスに参加しなくても、ここで拾ったいくつかのヒントをコンテンツに織り込んで皆さんにお届けできるようにしたつもり!